throw someone under the bus の意味とは? 例文&イラスト付き意味解説

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意味について

 “throw someone under the bus” は、誰かを犠牲にしたり、裏切ったりすることで自分の立場を守ろうとする行為を表すイディオムです。特にビジネスシーンや人間関係の中で、自分が責任を取るのではなく、他人に責任を押し付けたり、他人の失敗として処理したりするような状況でよく使われます。

He threw me under the bus in front of our boss just to make himself look better.

(彼は自分をよく見せるために、私を上司の前で平気で犠牲にしました。)

 この表現には「意図的に相手を危険な立場に追いやる」という強い非難のニュアンスがあります。時に、本人があまり悪びれずにそれを行う様子も暗示されるため、関係性に亀裂を生むような裏切り行為として扱われます。

語源について

 この表現の語源は、比較的新しいものです。はっきりとした起源は定かではありませんが、1980年代にアメリカやイギリスで使われ始めたとされており、政治やスポーツの分野でのメディア報道を通じて広まったと考えられています。

 「バスの下に誰かを投げ込む(throw someone under the bus)」という言葉を文字通りに想像すると、その人物をバスの進路に突き飛ばすという非常に危険な行為を意味します。つまり、「自分が助かるために、他人を犠牲にする」「自分の責任を他人に押しつけて、自分だけ安全な場所に逃れる」といった構図を、強烈な比喩としてこの表現が担っています。

面白いことに、英語圏でもこの表現が急激に広まったのは2000年代以降であり、政治家や有名人のスキャンダルがニュースで扱われる際に、「誰が誰をバスの下に投げたのか」という見出しで使われることが多くなりました。現代的で、かつインパクトのある比喩として、会話や文章の中に定着したイディオムと言えるでしょう。

 このイラストは「throw someone under the bus」という英語イディオムを視覚的に表現した作品です。背景はセピア調のヴィンテージトーンで統一され、レトロな街並みと古い型のバスが描かれています。前景では、スーツ姿の男性が別の男性をバスの前に突き飛ばす様子が描かれており、裏切りや責任転嫁の瞬間を象徴的に表しています。中央上部には、レトロなフォントでイディオムが強調されており、意味を直感的に伝える味わい深い一枚となっています。




類義語

betray

 「裏切る」という意味の最も基本的な単語です。

 “throw someone under the bus” よりも広く使われ、恋愛や友情など、個人的な関係性の中での裏切りにも対応できます。意図的な裏切りに限定されず、結果的に裏切りになる場合も含まれます。

She betrayed my trust by telling everyone my secret.

(彼女は私の秘密をみんなに話して、私の信頼を裏切りました。)

sell someone out

 「売る」「密告する」「裏切る」といった意味合いを持ちます。

 内通者やスパイのように、相手をあえて敵に売り渡すような行為に使われることが多く、意図性が強く、裏切りの深さも大きい印象を与えます。

He sold us out to the competitors for money.

(彼はお金のために私たちを競合相手に売り渡しました。)

shift the blame (onto someone)

 「責任を他人に転嫁する」という意味で、“throw someone under the bus”とかなり近い場面で使われます。ただし、shift the blameは裏切りというより、責任回避のテクニックとして使われることが多いため、必ずしも他人を犠牲にするニュアンスとは限りません。

He always tries to shift the blame when something goes wrong.

(何か問題が起きると、彼はいつも責任を他人に押し付けようとします。)

 このように、「裏切る」という点では共通していますが、throw someone under the bus は「その人の犠牲の上に自分が助かる」構図が強調されており、単なる裏切りよりも悪質な行為として受け取られがちです。

使い方のポイント

 この表現を使う際に注意すべきポイントはいくつかあります。まず、このイディオムは非常に感情的な意味合いを含んでいるため、日常会話の中で使うと相手に強い印象を与える可能性があります。軽い冗談のつもりで使っても、関係性によっては深刻な裏切りを意味すると受け取られてしまうことがあるため、使う相手と場面をよく考える必要があります。

 また、使われる文脈としては、職場や学校など「他者との協力が求められる場面」での人間関係が背景にあることが多いです。たとえば、会議で自分のミスを指摘されたくないがために他人のせいにしてしまう場面や、上司に気に入られようとして同僚の失敗を強調するような発言をする場面などです。

 一方で、自虐的な文脈で「I got thrown under the bus(私は犠牲にされた)」という受動態で使われることも多く、その場合は「私は責任をなすりつけられた」「私は守ってもらえなかった」といった被害者的なニュアンスが出ます。発言者が自分の立場を嘆く時にも効果的な表現です。

 このように、throw someone under the bus は比喩的な表現でありながら、人間関係の中で非常にリアルに響く力を持っています。使いこなせば、英語でのコミュニケーションにおいて、より自然でネイティブらしい表現ができるようになるでしょう。

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