はじめに:映画セリフから学ぶ、迫力あるリアル英語
映画の名セリフは、英語学習者にとって最高の教材です。
教科書には載っていないけれど、ネイティブの感情や思考が詰まった一言には、文法・語法・リズム・ニュアンスなど、多くの学びがあります。
今回の主役は、映画史に残る超名作『ゴッドファーザー(The Godfather)』(1972年)からのこのセリフ:
“I’m gonna make him an offer he can’t refuse.”
(彼が断れない申し出をする)
このセリフには、一見やさしい単語が並んでいますが、文法的にも感情的にも奥深い構造が潜んでいます。本記事では、このフレーズを起点に、英文法・構文・応用表現を丁寧に解説していきます。
セリフ登場シーンと日本語字幕
映画『ゴッドファーザー』とは?
フランシス・フォード・コッポラ監督による『ゴッドファーザー』は、アメリカ映画史を代表する作品の一つ。
その冒頭近くで登場するのが今回の名セリフです。
セリフが使われた場面
マフィアのドン・ヴィトー・コルレオーネ(演:マーロン・ブランド)が、親族を侮辱された知人に対してこう言います:
“I’m gonna make him an offer he can’t refuse.”
この「申し出」とは、表向きは交渉ですが、実態は脅迫。断れば危害が加えられることを意味しています。
日本語字幕では?
作品によって異なりますが、以下のように訳されることが多いです:
「やつが断れない申し出をしてやる」
「決して断れない条件を提示するさ」
このように、丁寧ながら強い圧力を感じさせる一言。
その英語構造を解き明かしていきましょう。
英文法解説①:「I’m gonna」の意味と口語表現
“gonna”は“going to”の口語形
まずは “I’m gonna” に注目しましょう。これは、
I’m going to の省略形(口語)
つまり、「これから~するつもりだ」という未来表現を、話し言葉で柔らかくしたものです。
基本構造
- I’m going to make ~
→ 私は~するつもりだ
これが口語では:
- I’m gonna make ~
となり、より自然な会話表現になります。
“gonna”の使い方に注意
- 正式な書き言葉では基本使われません。
- スピーチや映画など、カジュアルなシーンで使われます。
例文
- I’m gonna call him tonight.(今夜彼に電話するよ)
- She’s gonna love this gift.(彼女はこのプレゼントを絶対気に入る)
英文法解説②:「an offer he can’t refuse」の構造分析
この部分は、文法的に非常に興味深い構文が使われています。
後ろから修飾する関係代名詞節
an offer he can’t refuse
これは、「彼が断ることができない申し出」という意味ですが、文の構造としては:
- an offer [that] he can’t refuse
「that(関係代名詞)」が省略されている形です。
解説ポイント
- offer:名詞(申し出)
- he can’t refuse:「彼が断れない」=主語+助動詞+動詞
- that:関係代名詞として省略可能(カジュアル表現)
この構文の特徴
- 英語では、関係代名詞で後ろから名詞を修飾する構文はよく使われます。
- 「限定用法」と呼ばれ、意味を限定・特定する効果があります。
似た構文例
- a book I want to read(私が読みたい本)
- a song she’ll never forget(彼女が決して忘れない歌)
応用例:同じ構文・語彙を日常で使ってみよう
では、このセリフを応用して、日常会話やビジネスシーンで使える表現に落とし込んでみましょう。
“make an offer”の使い方
- I made them an offer, but they declined.
(彼らに提案したが、断られた) - She made a great offer on the house.
(彼女はその家に良い条件を提示した)
“he can’t refuse”構文の応用
例文
- It’s a deal he can’t walk away from.
(彼が断れない取引だ) - I’ll give you a price you can’t refuse.
(断れない価格で提供するよ) - That’s an opportunity you don’t want to miss.
(逃したくないチャンスだ)
映画風にアレンジして楽しむ
- I’m gonna make her an offer she’ll never forget.
(彼女が一生忘れられない申し出をしてやる) - I’m gonna give you a reason to say yes.
(君が「イエス」と言うしかない理由を与えるよ)
こうした構文に慣れることで、英語表現に深みと説得力が生まれます。
まとめ:威圧と魅力が同居する、説得の英語
今回取り上げたセリフ:
“I’m gonna make him an offer he can’t refuse.”
は、映画の中で使われる有名な脅し文句でありながら、英文法的には非常に良い教材になります。
学んだポイントまとめ
- “gonna” は “going to” の口語表現 → 会話英語でよく使う
- 関係代名詞省略 による「後置修飾」の構文
- make an offer + 関係節 のように、実用英語として応用可能
- ネガティブにもポジティブにも使える「断れない」構文の魅力
このセリフの持つ重みや迫力は、文法・語彙・語感が合わさってこそ生まれるもの。
あなたも今日から、断れないほど魅力的な英語表現を使いこなせるように、映画の一言から実力を磨いていきましょう。
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