基本情報
『占星術殺人事件』は、島田荘司による本格ミステリーで、1981年に発表されたデビュー作です。島田荘司は、日本の推理作家で、特に本格ミステリーにおいて非常に高く評価されている作家です。彼の作品は、論理的な推理と複雑なトリックを駆使しており、ミステリーファンや評論家からの注目を集めています。とのこと、はっきり言えば、あまり読んでこなかったジャンルです。読了目安時間は8時間半と、なかなか長いです。ジャンルはミステリー・推理小説(本格推理・密室殺人)。舞台は戦前・戦後の昭和です。で、これだけではきっと手に取ってもらえない。かくいう私は、島田ファンから布教された口。めちゃくちゃ面白いですから! ぜひ、読んでみて下さい!
と、反駁するタイミングもなく、こんな感じで勧められただけで、半信半疑。でも、読んでよかった。読み始めたら、あっという間。続きが気になるのなんの! という、軽い言葉に聞こえるかもしれませんが、このジャンルは、いや、この作品は、紹介する価値がある。約50年前の作品とのことですが、今一度、私が皆様に布教させて頂きたく思います。
簡単なあらすじ
1936年、画家・梅沢平吉は自宅で惨殺される。彼は奇怪な占星術思想に取り憑かれ、「理想の女性」を創造するため、6人の娘の身体の一部を組み合わせて1人の完璧な存在を作ろうとしていた。その後、6人の娘たちも次々と失踪し、やがてそれぞれの身体の一部が見つかるという戦慄の事件が発生する。
事件は「6つの身体から1人の女性が作られた」という衝撃的な怪事件として世間を騒がせたが、迷宮入りとなった。
それから40年以上後、占星術師であり天才的な頭脳を持つ探偵・御手洗潔は、友人の石岡和己と共にこの未解決事件に挑む。そして、誰も気づかなかった盲点を突く推理により、事件の真相が明らかになっていく。
ミステリーのあらすじは、いいですね。もう、これだけで楽しそうでしょう♬

あなた。地獄に落ちるわよ。

反応したら40歳近いですね。
面白いと思うところ
まず箇条書きで、
・ 複雑なトリックと論理的推理
・ 主人公、御手洗潔という風変わりで天才的な探偵のキャラクター
・ 占星術、解剖学、心理学といった多様な知識が事件に関わる
・ 戦前の日本と現代の視点が交錯する構成
と、挙げることもできますが、本編から短く引用します。パワーワードです。感じて下さい。
わたしは、今、完全な乙女を一人造ろうとしている。
この衝撃的な一文は、あらすじでも顔を出しましたが、物語の発端となる画家・梅沢平吉の遺書の一節です。彼の“芸術的狂気”と“占星術的思想”が、この文章から一気に伝わってきます。この遺書が後にバラバラ殺人事件とつながっていく……という導入は、読者の背筋を凍らせながらもページをめくる手を止めさせません。入り、最高です。
トリックはすでに解けている。あとは、どうして君たちがそれに気づけなかったか、だ。
御手洗潔が読者の目を覚まさせるように発する言葉です。そして、なんと言っても本作が本格ミステリーというものを感じることは、「情報はすべて出ていた」「誰にでも解けるはずだった」という点で、この作品はフェアプレイの極致なのです。
このセリフが放たれる時点で、読者はある“前提”にまんまと騙されていたことに気づきます。
つまり、犯人がいない殺人事件が成立してしまったということか?
この問いかけが、本作の核を突いています。「犯人がいないのに殺人が行われる」という論理破綻のような謎。だがそれは、まさに読者の認識の落とし穴によって成り立っているトリックなのです!
※あんまり書くと、つまらなくさせるので、このくらいにしておきますね。
こういう人にお勧め
この作品は「本格ミステリー」の金字塔とされ、特にトリックの独創性は高く評価されています。読者にフェアなヒントが与えられ、論理的に真相を導き出せる構造になっています。なので、あなたも一緒に参加して下さい。これこそ、まさに参加型! 解こうと思えば、解けます。安心して下さい、実はこうだったんだ、みたいなズルはありません。
さて同じく箇条書きで、
・本格ミステリーが好きな人
・驚きのどんでん返しが好きな人
・「ミステリー初心者」で印象に残る1冊を探している人
まず、有名な話でしょうが、「綾辻行人」が好きで、本作を読んでいない人など、おそらくいないでしょうが、もし、万が一読んでいないと言うのならば、必読。彼の『十角館の殺人』もね、とてもよかった。でも私は、パイオニア、本作の方が好き。やはり、本格派は島田の方が勝っていると思います。謎解き・トリック重視の「ロジカルな推理小説」を好む読者は是非!
2つめのどんでん返し、というよりも、私はトリックですね(それが「どんでん返し」だって言うのかもしれませんが笑)。決して裏切られてはいない。ただ、感心しました、しますよ。
そして3つめ、「まず最初に読むべき有名なミステリーは?」と聞かれれば、即答。しかし、懸念がある。なかなか本作を凌駕する作品など、ありません。これでミステリーにハマっても、同じレベルで満足するようなものが見つけれないかもしれない。でも、そんなことは関係ないか、きっとあなたも好きになると思う。まず導入としても、そうじゃなくても、とにかく鉄板。きっと、あなたの読書にとって印象に残る1作になるでしょう。
ここから読んだ人向けの話
※絶対に、絶対に、まだ読んでいないのならここから先には進んではいけない。回れ右。本当に、本当に名作が台無しになる。感動が、もったいない。それだけは、私からあなたに伝えたい。とても大事な話。
本作のテーマについて
ひとつ、「理性」 vs 「感情・思い込み」
これは、本作が占星術のような「非科学的な思考」を背景に置きながらも、主人公の御手洗は徹底して「理性」と「論理」によって真実を暴きます。
ふたつ、本作が「読者への挑戦状」型、本格ミステリーゆえに、作中にはズルなし、フェアなヒントが散りばめられ、「自力で解けたか?」という問いが常に読者に突きつけられます。
さて、その上で振り返ってみよう。
狂人の妄想
なんといっても、「トリックは冒頭にすべてある」構成の妙です。物語は梅沢平吉が記した「奇怪な遺書」から始まります。そこには6人の娘の身体の一部を組み合わせ、理想の女性「アゾート」を創り出すという狂気の思想が語られます。
読者の多くがここで「狂人の妄想」と受け取ってしまうのがポイントです。しかし、この遺書こそが事件全体の「目くらまし」であり、作中最大の叙述トリックの鍵でもありましたね。次に繋がります。
全員死んだ
「死んだ娘はいなかった」というトリック。物語最大の仕掛けは、「6人の娘がバラバラに殺された」という前提自体が嘘であることです。
実際には、6人全員が死んだ(殺された)わけではありません。5人です。1人、顔のない時子は生きています(=犯人)。考えてみれば、めちゃくちゃシンプルなのですが、面白くて、読まされました。そしてその隠し方ですね。あのセロハンは、秀逸、それこそフェアでしたね。ああ、あの瞬間に気がつくことができたらよかったのに……と、悔やまれますww
つまり、「死体の一部」が発見されたという事実だけで、「6人全員が殺された」と思い込まされていたのです。これは、読者の思い込み(認知バイアス)を利用した巧妙なミスリードです。
御手洗潔の手腕
彼の論理性と観察力についてです。御手洗の推理は、占星術や絵画、地理的配置、過去の証言などを突き合わせることで進んでいきます。特に注目すべきは、「発見された死体の部位が、複数人のものとは限らない」というシンプルながら見落とされがちな視点です。
この点に気づけば、「本当に6人死んだのか?」という根本的な疑問が生まれます。
メタ・ミステリ的要素
『占星術殺人事件』は、読者に対して「あなたも論理で解けるはずだ」という挑戦をしているような構成です。
・犯人がわざわざ「奇怪な遺書」を残す
・トリックを説明する言葉が隠されている
・読者の「常識」や「感情」に依存した推理を逆手に取る
これは「探偵小説」そのものへのメタ的アプローチとも言えますね。
どうでしたか? あなた解けましたでしょうか?
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