Not bad. は褒め言葉じゃない?|英語の遠回し表現の本当の意味

英語学習

はじめに

日本語の感覚で “Not bad.” を見ると、まず「悪くない=普通より上=褒めてる?」と感じる人が多いかもしれません。しかし英語圏では、この表現は必ずしも褒め言葉とは限らず、むしろ “慎重な評価”“控えめなリアクション”“微妙な間合いの褒め” として使われることが多いフレーズです。

特にネイティブは、相手の努力を否定したくない、でも大げさに褒めるほどではない…そんな時に “Not bad.” を選ぶことがあります。つまり、良い→すごく良い の階段のずっと下に位置する“やわらかい肯定”といったニュアンスです。

この記事では、“Not bad.” の持つ微妙な温度差や、肯定度の違い、声のトーンで変わる本音の読み取り方を徹底解説します。


意味について

“Not bad.” の直訳は「悪くないね」。しかし、その意味は文脈や声のトーンによって大きく揺れ動きます。根底にあるのは “強い肯定でも否定でもない” という中間的な評価です。

多くの場合、以下のいずれかのニュアンスを含みます。

  • 思ったより悪くなかった
  • まあまあ良い
  • 想像より良かった
  • 期待値は超えていないが評価はゼロではない
  • 褒めすぎず、否定もしない安全地帯の表現

ここで重要なのは、“Not bad.” は “Good.” ではない ということ。
「悪くない」を肯定に聞こえさせるのは日本語特有の感覚で、英語ではもっと冷静で距離のある言い方です。

例文

It’s not bad.
(悪くないよ。)


本音としてどういう意味を持つのか

“Not bad.” は単なる評価ではなく、話者の「相手にどう伝えたいか」という心理が反映される表現です。

控えめな褒め(Mild compliment)

本心は“良い”と思っているが、少しだけ距離を保ちたいときに使われます。


Your presentation was not bad.
→ 「悪くないよ。(=良かったよ、でもGreat! と言うほどではない。)」

この場合、相手に優劣をつけすぎない“柔らかい褒め”として機能します。

丁寧な中立(Neutral polite)

はっきり褒めるほどでもないが、否定すると角が立つときの便利な逃げ道。


How was the movie?
Not bad.
→ 「まあ悪くはなかったよ。(=普通〜やや良い。)」

これは “無難な返答” の代表格。

期待していなかったものが意外と良かった(Expectation lower → mid)

初めの期待値が低かったため、結果が少し良く見えるケース。


I tried the new café. Not bad!
→ 「思ってたよりいいじゃん。」

この場合はポジティブ寄りの“Not bad.”。

実は微妙だが、否定を避けたい(Avoiding negativity)

本音が「良くはなかった」でも、直接言うと失礼な場合に使われるパターン。


So how’s my cooking?
…Not bad.
→ トーン次第では「まあ…悪くはなかったよ」という やんわり忖度


深堀り:トーンによる意味の変化

ネイティブの “Not bad.” は 声・間・表情 で本音が大きく変わるのが特徴。文字だけでは判別しづらいため、ここで典型的なパターンを掘り下げます。

明るいトーン → やや褒め

“Not bad at all!”
→ 「全然悪くないよ!けっこういいじゃん!」

・笑顔
・テンションが高め
・語尾を上げる

これらが揃うと、ポジティブ評価としてのNot bad

平坦なトーン → 本当に普通

“Not bad.”(無表情)
→ 「悪くはないけど特に感想もない。」

・語尾が下がる
・コメントが続かない
・他の話題に移る

これは 中立評価 のNot bad。

低めのトーン・間が長い → 実質「微妙」

“…Not bad.”
→ “(正直よくはないけど…)悪くはないよ…”

・間がある
・声が低い
・笑っていない

この場合、否定を避けただけのNot bad

Only when used with enthusiasm → “Good”に近い

ネイティブは“良い”と思ったときは普通に
“Good.” “Pretty good.” “Great.” を使います。

つまり、“Not bad.” が最高評価になることはありません。


使い方のポイント

日本語の「悪くないじゃん」とは強さが違う

日本語の「悪くない」はときに“かなり褒めている”意味になることがありますが、英語ではその強度はもっと弱いです。
英語の“Not bad.”は控えめで客観的。

褒める気があるなら、もっと強い表現を使う

  • Good
  • Pretty good
  • Nice
  • Great
  • Awesome
  • Amazing

ネイティブは本気で褒めるときにわざわざ二重否定の“Not bad”を選びません。

距離を保ちたいときの安全な返事

相手が頑張って作ったもの、準備したものに対して否定したくないときにとても便利。

  • 料理
  • 手作りの物
  • プレゼン
  • 子どもの習い事

どんな場面でも使える万能ワード。

自分で使うときは“温度”を調整できる

Not bad!
→ 元気なテンションで使うとポジティブ評価
Not bad…
→ 弱々しく使うと中途評価〜微妙

英語ではトーンが意味そのもの。


類義表現との違い

It’s okay.

→ かなり弱い肯定。「別にいいよ」レベル。

It’s pretty good.

→ Not bad よりかなり上の褒め。

It’s decent.

→ “悪くはないが特別でもない”のフォーマル版。

Could be better.

→ “まあまあだけど改善の余地あり”という評価。

Not bad はこの中のちょうど真ん中に位置する表現


まとめ

“Not bad.” は、英語の遠回し表現の代表ともいえるフレーズで、意味の中心は 「完全な褒めでもなく、完全な否定でもない」 という曖昧な評価にあります。

  • 控えめな褒め
  • 無難な返答
  • 相手を傷つけないための中立評価
  • 期待より良かったときの軽い驚き
  • 本音の否定を包んだ柔らかな言い方

場面や声のトーンで大きく意味が変化するため、文字通りに受け取ると誤解を招きやすい表現です。ネイティブとの会話で “Not bad.” が出てきたら、言葉そのものよりも 表情・声の高さ・言い方 に注意すると正しく読み取れます。

遠回し表現を理解することは、英語の“空気読み”に直結します。

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