前置詞 by を概念とイメージで理解する|“〜によって”だけじゃない本質をつかむ

英語学習

by のコアイメージは「起点・手段・近接・通過」

前置詞 by は、「〜によって」「〜のそばに」「〜で」といった意味で覚えられることが多い表現です。
しかし、英語の by の本質は、単なる手段や行為者ではありません。
もっと広く、もっと抽象的に、「起点」「手段」「近接」「通過」「単位」「最低限の維持」 を表す前置詞です。

このコアイメージを理解すると、受動態の by から「そばに」の by、さらには「なんとかやり過ごす」の get by まで、すべてが一本の線でつながります。
この記事では、手段 → 近接 → 行為者・起点 → 通過 → 単位 → 最低限の維持 の順に、by の世界を体系的に整理していきます。


手段・方法を示す by

まずは最もよく知られた用法である「手段・方法」を示す by です。
英語では、行動がどのような手段で行われるかを by で表します。

  • travel by train(電車で移動する)
  • pay by credit card(クレジットカードで支払う)
  • learn by experience(経験によって学ぶ)

ここでの by は、行動の「方法」や「経路」を示しています。
つまり、行動がどのように実現されるかを表す前置詞です。

参考イディオム:by all means

by all means は「ぜひ」「もちろん」「どうぞ」という意味の表現です。
直訳すると「すべての手段によって」となり、手段を問わず実現してよいというニュアンスから「強い許可・強調」を表します。

つまり、by の「手段」のイメージがそのまま抽象化され、“どうぞ、あらゆる方法で”という意味になっているのです。


近接・そばにいる by

次に、by が「そばに」「近くに」という意味を持つケースです。
英語では、物理的な距離だけでなく、抽象的な“接近”も by で表します。

  • stand by me(私のそばに立つ → 支える)
  • sit by the window(窓のそばに座る)
  • pass by(そばを通り過ぎる)

ここでの by は、対象に近接している状態を示します。
この「近くにいる」というイメージは、後述する「通過」や「最低限の維持」の by にもつながっていきます。


行為者・起点を示す by(受動態)

受動態で使われる by は、「〜によって(誰が)」という意味で知られています。
これは、行動の起点を示す用法です。

  • The book was written by her.(その本は彼女によって書かれた)
  • The window was broken by a ball.(窓はボールによって割られた)

ここでの by は、行動がどこから発生したかという起点を示しています。
つまり、by は「手段」だけでなく「原因・行為者の出発点」を表す前置詞でもあるのです。


通過・経路を示す by

by は「通過」「経由」を表すこともあります。
これは「近接」のイメージがそのまま動きに応用されたものです。

  • go by the river(川のそばを通って行く)
  • drive by(車で通り過ぎる)
  • walk by me(私のそばを歩いて通る)

ここでの by は、対象の近くを通過する経路を示しています。
「そばにいる」→「そばを通る」という自然な拡張です。


単位・程度の変化を示す by

by は「〜ずつ」「〜という単位で」という意味でも使われます。
これは、変化や成長の単位を示す用法です。

  • increase by 10%(10% 増える)
  • step by step(一歩ずつ)
  • little by little(少しずつ)

ここでの by は、変化がどの単位で進むかという進行の基準を示しています。

参考イディオム:by leaps and bounds

by leaps and bounds は「飛躍的に」「急速に」という意味の表現です。
ここでの by は、成長や変化が“飛躍という単位”で進むというイメージを表しています。

つまり、変化のスピードや規模を示す「単位の by」が抽象化された形です。


最低限の維持・やり過ごしの by

最後に、by が「最低限でなんとかやり過ごす」という意味を持つケースです。
これは、通過の by が抽象化され、「困難を通り抜ける」という意味に発展したものです。

  • get by(なんとかやっていく)
  • scrape by on(〜でなんとか食いつなぐ)

ここでの by は、困難な状況を最低限の手段で通過するというニュアンスを持っています。

参考イディオム:get by

get by は「なんとかやっていく」「最低限で生きる」という意味です。
困難な状況を通過するという by のイメージがそのまま使われています。

参考イディオム:scrape by on

scrape by on は「〜でなんとか食いつなぐ」という意味です。
「最低限の手段で通過する」という by の抽象的な使い方がよく表れています。


まとめ:by は「起点・手段・近接・通過・単位」を示す前置詞

英語の by は、単なる「〜によって」ではありません。
その本質は、「起点」「手段」「近接」「通過」「単位」「最低限の維持」 にあります。

  • 手段 → 行動がどの方法で行われるか
  • 近接 → 対象のそばにいる状態
  • 行為者・起点 → 行動がどこから発生したか
  • 通過 → 対象のそばを通る経路
  • 単位 → 変化の基準や進行の単位
  • 最低限の維持 → 困難を通過する抽象的な意味

この記事で紹介したイディオム(by leaps and bounds / by all means / get by / scrape by on)も、すべてこのイメージで説明できます。
前置詞 by を「起点・手段・近接・通過」という一本の線で理解すると、英語の抽象表現が一気に読み解きやすくなります。

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