はじめに
ONE OK ROCKの代表曲『完全感覚Dreamer』は、2010年にリリースされて以来、世代や国境を越えて多くのリスナーを魅了し続けています。その魅力は激しいサウンドや熱量のあるボーカルだけでなく、日本語と英語を自在に行き来する歌詞のセンスにもあります。
この曲の中に散りばめられた英語表現は、ネイティブが日常で使うリアルなフレーズや、力強い意志や感情を伝える構文が多く、英語学習者にとっても非常に学びの多い内容です。
今回の記事では、その中から特に印象的な英語フレーズを5つ厳選し、それぞれの文法的な意味や使い方を詳しく解説していきます。音楽の力を借りながら、英語の「ルール」を「感覚」に変える――そんな体験をしてみませんか?

カラオケで歌うと大やけどする曲。

ワンオクとホルモンはホント無理だよ。
✅ Pick Up 1:「So now my time is up」
「今や自分の時間が終わった」という意味のフレーズで、物語の幕引きや覚悟を感じさせる表現です。
“my time is up” の文型は SVC(主語+動詞+補語) にあたります。
- 主語(S): my time
- 動詞(V): is(be動詞)
- 補語(C): up(形容詞的に「終わっている状態」)
“be + up” で「終了している」「期限切れ」といった意味を表し、日常英会話でも非常によく使われます。
💡 例文:
My time is up; I have to finish the project today.
(もう時間がない、今日中にプロジェクトを終えなければならない。)
✅ Pick Up 2:「Your game starts」
「あなたの勝負が始まる」という意味で、次の行動に向けての幕開けを感じさせる表現です。
これは SVO(主語+動詞+目的語) の基本的な文型で、
- 主語(S): Your game
- 動詞(V): starts(startの三人称単数現在)
“game” はここでは比喩的に「試練」や「戦い」を意味しており、”starts” の現在形によって「今まさに始まる」臨場感が生まれています。
💡 例文:
The real game starts now.
(本当の勝負は今からだ。)
✅ Pick Up 3:「Past time has no meaning for us」
「過去の時間は私たちにとって意味がない」という、過去にとらわれない姿勢を示す一文です。
この文の構造は SVO(主語+動詞+目的語) に、さらに 副詞句(for us) が付加されています。
- 主語(S): Past time
- 動詞(V): has(haveの三単現)
- 目的語(O): no meaning
- 副詞句: for us(意味を持たない対象)
“no meaning” は 形容詞+名詞 の構成で、「意味が全くない」と強調する表現です。
💡 例文:
The past has no meaning if you don’t learn from it.
(学ばなければ、過去には意味がない。)
✅ Pick Up 4:「I’m gonna fly」
「飛び立つんだ/挑戦するんだ」という意志を伝える口語的表現です。
文法的には “be going to + 動詞の原形” の未来表現です。”gonna” は “going to” のカジュアルな省略形で、特に話し言葉や音楽でよく使われます。
- 主語(S): I
- 助動詞構造: am gonna(= am going to)
- 動詞: fly(原形)
“fly” は比喩的に「高みを目指す」「新しいステージへ進む」という意味でも使われています。
💡 例文:
I’m gonna try my best.
(全力を尽くすつもりだ。)
✅ Pick Up 5:「I can’t get enough!」
「満足できない!もっと欲しい!」という情熱や欲望を表す表現です。
構文は 助動詞+動詞+目的語 という基本構造。
- 主語(S): I
- 助動詞(M): can’t(= cannot)
- 動詞(V): get
- 目的語(O): enough(十分な量)
この “get enough” は、**慣用的に「満足する」「飽きるほど得る」**という意味で使われ、否定形になることで「いくらあっても足りない!」というニュアンスが強調されます。
💡 例文:
I can’t get enough of this song.
(この曲が大好きでたまらない。)
まとめ
ONE OK ROCKの『完全感覚Dreamer』には、熱量のこもったサウンドとともに、強い意志や覚悟を感じさせる英語フレーズがちりばめられています。
今回ご紹介した表現は、いずれも短くシンプルでありながら、感情をダイレクトに伝える力を持っており、日常英会話や自己表現にも応用可能なものばかりです。
英文法は、単なるルールの暗記で終わってしまうと「試験のための知識」でしかありません。しかし、こうしたリアルな言葉の中に文法がどう生きているかを知ることで、それは「使える英語」「伝わる英語」へと変わっていきます。
英語学習において、「感情ごと覚える」という体験は非常に効果的です。音楽のリズムや世界観に身を委ねながら、文法も表現も、自分の中に自然と染み込ませていく――そんな学び方が、あなたの英語力を次のステージへと押し上げてくれるはずです。
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