はじめに
映画のワンシーンから英語を学ぶと、辞書や参考書では味わえない「生きた英語表現」が身につきます。特に名台詞は、その映画を象徴するだけでなく、短くても印象的で覚えやすいのが魅力です。
今回取り上げるのは、1989年公開のロマンティック・コメディ映画 『恋人たちの予感(When Harry Met Sally…)』 に登場する有名な一言。
サリー(メグ・ライアン)がレストランで「演技」をしてみせた後、隣の席の女性客が店員に向かって放ったセリフがこちらです。
“I’ll have what she’s having.”
たった一言なのに映画史に残る爆笑シーンとなり、今では英語圏の人々が日常でもジョークとして使うほど有名になりました。今回はこのフレーズを通して、助動詞 “will” の使い方、代名詞 “what” の働き、口語表現としての応用 を学んでいきましょう。
セリフの登場シーン
舞台はニューヨークのレストラン。
サリーが「女性が演技でどれだけ本物のように振る舞えるか」を証明するため、食事中に大胆な「演技」を披露します。店内の人々はあっけにとられ、静まり返った直後、隣のテーブルの女性が店員にこう注文します。
“I’ll have what she’s having.”(彼女が食べてるものを私にも頂戴)
監督ロブ・ライナーの母親が演じたこの一言が、場面を完璧に締めくくり、映画を代表する名台詞となりました。短くシンプルですが、英語学習者にとっては非常に面白い構造を含んでいます。
英文法の解説
助動詞 “will” の短縮形 “I’ll”
“I’ll” は “I will” の短縮形。ここでは「~にします」「~をいただきます」といった意思表示の意味で使われています。
飲食店で注文するとき、英語では次のように言うのが自然です。
- I’ll have a coffee, please.(コーヒーをください)
- I’ll take the same.(同じものをいただきます)
「will」は未来を表すだけでなく、「その場での意思決定」にも使えることを覚えておきましょう。
“have” の用法
ここでの “have” は「持つ」ではなく、「飲食する」 という意味です。英語ではレストランで注文する時に “have” が頻繁に使われます。
例:
- I’ll have a salad.(サラダをお願いします)
- She’s having pasta.(彼女はパスタを食べています)
日本人学習者は “eat” や “drink” を使いたくなりますが、自然な会話では “have” の方が一般的です。
関係代名詞 “what”
セリフの中で一番のポイントは “what she’s having” です。
これは「彼女が食べているもの」という意味で、関係代名詞 “what” が「~するもの」を表しています。
文の構造はこうなります。
- what she’s having = the thing that she is having
(彼女が食べているもの)
つまり、全体の意味は:
“I will have (the thing) that she is having.”
→「私は彼女が食べているものをいただきます」
現在進行形 “she’s having”
“she’s having” は “she is having” の短縮形で、現在進行形を表しています。
進行形を使うことで「ちょうど今、彼女が食べている最中のもの」というニュアンスが出ています。
同じ文を単純現在で “she has” としてしまうと、「彼女が持っているもの」になり、ニュアンスがずれてしまいます。
会話表現としての面白さ
このセリフは直訳すると「彼女が食べているものを私にもください」ですが、文脈が文脈だけに観客は大笑い。実際には「彼女の体験を私もしたい!」という二重の意味が込められています。
英語圏では今でも、何かを見て「それが最高そうだから、私も同じものにする」と冗談っぽく言いたい時に、このセリフを引用することがあります。
例:
- (友達がすごく楽しそうにしているのを見て)
“I’ll have what she’s having!”
まとめ
『恋人たちの予感』の名台詞 “I’ll have what she’s having.” は、シンプルで覚えやすいフレーズですが、英文法のエッセンスがぎゅっと詰まっています。
- “I’ll” = “I will” の短縮形で「意思・決定」を表す
- “have” = 「飲食する」という自然な使い方
- “what” = 「~するもの」を表す関係代名詞
- “she’s having” = 現在進行形で「今まさに食べているもの」
このように文を分解してみると、日常会話でそのまま使える表現が多く含まれていることが分かります。英語学習では、辞書的な知識だけでなく、映画のセリフのような「実際に使われる表現」を取り入れると効果的です。
次にレストランで注文する機会があったら、ぜひ冗談半分でも “I’ll have what she’s having.” と言ってみてください。きっと会話が盛り上がるはずです。
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