はじめに
映画のセリフは、教科書では学べない“生きた英語”の宝庫です。中でも1992年公開の名作『プリティ・リーグ(A League of Their Own)』には、英語学習者にとって耳に残るフレーズが数多く登場します。その中でも特に有名なのが、監督ジミー・ドゥガン(トム・ハンクス)が放った一言、「There’s no crying in baseball.」。
直訳すると「野球に泣くことなんてない」となりますが、実際には「泣くのは野球にふさわしくない」「泣くんじゃない!」という強い叱咤のニュアンスを含んでいます。アメリカでは今もなお、スポーツやビジネスの場面で引用されるほどポピュラーなフレーズとなっています。
今回はこのセリフを取り上げ、文法や表現をひも解きながら、実際の英会話でどう使えるかを見ていきましょう。
セリフの登場シーン
物語は第二次世界大戦中、男性選手が戦地に送られたことで発足した「全米女子プロ野球リーグ」が舞台です。ジミー・ドゥガン監督は、最初は女性選手たちを軽視しながらも、次第に本気で指導するようになります。
問題のシーンは、試合中に選手がエラーをして泣き出してしまった場面。そこでドゥガン監督が放ったのがこの名言です。観客にとってはユーモラスでありながらも、「スポーツは気持ちを強く持って臨むものだ」というメッセージが込められています。
英文法の解説
There is 構文
セリフの冒頭は 「There’s(= There is)」 という表現で始まっています。
これは「〜がある」「〜が存在する」という意味を表す構文で、日常会話で非常によく使われます。
- There is a book on the table.(テーブルの上に本があります)
- There are many people in the park.(公園には多くの人がいます)
この場合は「There is no crying」で「泣くことは存在しない」となり、否定的なニュアンスが強調されています。
no + 動名詞
次に注目したいのが 「no crying」 という表現。
「crying(泣くこと)」は動詞 cry に -ing をつけた動名詞で、「泣くという行為」を指します。
「no + 動名詞」で「〜はない」「〜は禁止」という意味になります。
例:
- No smoking.(禁煙)
- No parking.(駐車禁止)
つまり「no crying」も「泣くことは許されない」というルール的な響きがあるわけです。
in baseball の用法
最後の 「in baseball」 は場所や分野を示す「〜の中で」「〜において」という使い方です。
- in sports(スポーツにおいて)
- in life(人生において)
よって、「in baseball」で「野球においては」という意味になり、泣くことは野球にそぐわないというニュアンスが完成します。
実際に使えるフレーズ応用
このセリフの型を応用すれば、日常でも印象的な言い回しができます。
- There’s no cheating in exams.(試験にカンニングはない=許されない)
- There’s no giving up in this game.(この試合に諦めはない)
- There’s no lying in friendship.(友情に嘘はない)
シンプルな構造なので、自分の価値観やルールを強調する際に応用しやすい表現です。
文化的背景
アメリカでは野球が「国民的スポーツ」として特別な位置を占めています。そのため、このセリフは単なる試合中の叱責を超えて、「スポーツマンシップ」や「強さ」を象徴する言葉として広まりました。
特に「泣いても何も変わらない、立ち向かえ」というメッセージは、ビジネスの現場や日常生活でも引用されることがあります。現在でもこのフレーズは映画の名言ランキングに登場するほど有名で、スポーツ映画を象徴する一言として語り継がれています。
まとめ
『プリティ・リーグ』の名セリフ 「There’s no crying in baseball.」 は、短くシンプルでありながら、強いインパクトを持つフレーズです。
文法的には
- There is 構文
- no + 動名詞
- in の範囲・分野を示す用法
という基本的な要素で成り立っており、英語学習者にとって理解しやすい構文の組み合わせになっています。
一見ユーモラスなセリフは、単にスポーツの場面にとどまらず、人生そのものに通じるメッセージを秘めています。泣いても状況は変わらない、だからこそ前を向き、行動で自分を証明していく――そんな力強い姿勢を教えてくれる言葉です。
英語学習においても同じことが言えます。難しい文法にぶつかったり、思うように会話が続かなかったりする場面は必ずあります。しかし、そのたびに「もう無理だ」と諦めてしまっては、上達のチャンスを逃してしまうのです。むしろ失敗を楽しみ、ユーモアを交えながら前に進んでいく姿勢こそが、語学を自分のものにする最短ルートだと言えるでしょう。
このセリフをきっかけに、皆さんも「泣き言を言わずに挑戦し続ける」精神を英語学習に取り入れてみてください。映画の名台詞を味方につければ、学びはより楽しく、そして記憶にも残りやすくなります。今日からあなたも、自分自身の「野球場」で堂々とプレーしてみませんか?
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