はじめに
インターネット上には英語で書かれた詐欺メールが数多く存在します。内容は怪しいのに、文法や語彙がそれなりに整っているため、英語学習者にとっては意味が読み取りにくいこともあります。しかし、実際の詐欺メールは“英語学習教材”として非常に優秀です。
なぜなら、文法の不自然さ・表現のクセ・語彙の偏りが明確に出るからです。
本記事では、実在の英文を例に、文法上のポイントや“詐欺っぽさ”を読み解きながら、英語表現の理解を深められるように構成しています。最後には、英語で詐欺メールを見抜くチェックリストも付けています。安全対策にも学習にも役立ててください。
英語例文(実際の詐欺メール)
I’m Ahmet, a bank staff in a Turkish bank.
私はアフメットといい、トルコの銀行で勤務しています。
I’ve been looking for someone who has the same nationality as you.
あなたと同じ国籍を持つ人を探していました。
A citizen of your country died in the recent earthquake in Turkey, he had in our bank fixed deposit of $11.5 million.
最近のトルコ地震で、あなたの国の市民が亡くなり、当行に1,150万ドルの定期預金をしていました。
If my bank executive finds out about his death, They would use the funds for themselves, I would like to prevent that from happening only if I get your cooperation.
もし銀行役員が彼の死を知れば、資金を自分たちに流用するでしょう。それを防ぐためには、あなたの協力が必要です。
I knew about it because I was his account manager.
私は彼の口座担当者だったため、この事情を知っています。
Last week my bank held a meeting for the purpose of a bank audit to note abandoned deposit accounts.
先週、当行では放置された預金口座を確認する監査会議が開かれました。
I request your cooperation to introduce you as the kin/heir of the account as you are of the same nationality as him.
あなたを彼の親族/相続人として紹介するために、協力をお願いします。
There is no risk; the transaction is carried out under a legal agreement that protects you from infringement.
危険はありません。この取引はあなたを守る法的契約のもとで行われます。
I suggest we split the funds, 60/40 and 40 for me.
資金はあなた60%、私40%で分けることを提案します。
I need this fund for my daughter’s surgery so keep this info confidential.
私は娘の手術のためにこの資金が必要なので、この情報は内密にしてください。
Email me so I can provide you with more info *******.com
詳細をお伝えしたいので、私にメールしてください。
文法から読み解く“詐欺メールっぽさ”
不自然なカンマの連続(Comma Splice)
英文中には文と文をカンマだけでつなぐ誤用がいくつも見られます。
例:
A citizen~Turkey, he had~
They would use the funds…, I would like to prevent…
これは comma splice(コンマ・スプライス) と呼ばれる典型的な文法ミスで、詐欺メールで非常に多く出現します。
ビジネスメールでは、ピリオドや接続詞を用いるのが自然です。
冠詞の誤用(a bank staff)
staff は不可算名詞なので、a staff は誤り。
正しくは:
a bank employee / a staff member
“自然なビジネス英語ではまず書かない表現” という点が要注意ポイントです。
条件節 only if の心理誘導的な使い方
only if I get your cooperation
「あなたが協力する場合に限り」
文法的には正しい表現ですが、詐欺メールでは相手に“責任”を背負わせるため使われがちです。
強い条件・限定を表す語として覚えておきましょう。
語のつなぎ方が不自然な名詞句(kin/heir)
introduce you as the kin/heir
as(〜として)は文法的に正しいですが、状況説明が極端に不足しており、詐欺メールの典型構造と一致しています。
would の過剰使用による不安を煽る文法
They would use the funds…
I would like to prevent that…
would が多用されると「可能性」「仮定」が強調され、読む側に不安を抱かせる効果が出ます。
実際の英語として使えるポイント
cooperation の自然な使い方
I request your cooperation.
→文法上は正しいがやや直訳的。
より自然な書き方:
I would appreciate your cooperation.
keep + 目的語 + 形容詞 の構文
keep this info confidential
「この情報を内密にしておく」
詐欺メールの定番フレーズですが、構文としては非常に使いやすいので覚えておきたい形です。
英語で詐欺メールを見抜くチェックリスト
- 文のつなぎ方が不自然(カンマ乱用・接続詞不足)
- 特定の単語が多い(legal agreement / confidential / cooperation)
- 金額が大げさ、急ぎで秘密が必要と言ってくる
- 個人的事情を急に語り始める
- 冠詞の誤用、名詞の扱いのズレ
- 物語調で長く説明するが、根拠となる情報は一切ない
まとめ
英語の詐欺メールは、一見すると丁寧に書かれているように見えても、実際には文法的なミスや不自然な語彙選択が多く、注意して読むと“詐欺特有のクセ”が随所に表れています。文と文をカンマでつなぐ無理な構造、冠詞の使い方のズレ、条件文の濫用、金額や事情を誇張する語り口など、どれもネイティブのビジネスメールではほぼ見られません。
こうした“怪しい特徴”を文法的に理解しておくことで、英語力が上がるだけでなく、危険なメッセージを早い段階で見抜くことができます。英語が読めるようになれば、詐欺メールの意図も論理も見えやすくなり、結果として自分の個人情報・財産を守ることにつながります。
また、不自然な英語表現を逆に学習素材として扱うことで、「正しい英文はどう書くべきか」「ビジネスで使われる自然な英語とは何か」という視点が鍛えられます。詐欺メールは危険な存在ですが、英語学習者にとっては、実践的な読解スキルを磨くための優れた素材とも言えます。
今後も怪しい英文が届いた場合には、文法・語彙・文構造に注目しながら読む癖をつけておくと、安全面でも学習面でも大きな力になります。ぜひ今回学んだポイントを、今後の英語生活に役立ててください。
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