はじめに
英語で届くビジネスメールの多くは、プロフェッショナルで丁寧な表現が使われます。しかし、その中に紛れて届くのが「詐欺または高リスク商材の勧誘メール」です。今回取り上げる英文は、一見するとビジネス提案のように見えますが、文法・語彙・構成の観点から見ると怪しいポイントが多く、英語学習者にとっては非常に面白い教材になります。
この記事では、実際に届いたメールを1文ずつ丁寧に翻訳しつつ、文法面・語彙面・ビジネス英語としての不自然さを解説します。英語力アップと安全対策の両方に役立つ内容です。
英語例文(実際のメール)
This is Mike from Monkey Digital,
Monkey Digital のマイクです。
I am contacting you regarding a exciting collaboration.
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文法に潜む“怪しさ”を見抜くポイント
冠詞の誤り(a exciting → an exciting)
英語では、母音で始まる語の前は an を使います。
しかし本文は a exciting collaboration と誤記。
ビジネスメールでこのレベルの冠詞ミスは極めて不自然です。
三人称単数の動詞ミス(everyone need → needs)
everyone は単数扱いのため、need ではなく needs が正解。
初歩的ミスのため、企業メールとしては不自然。
詐欺メールではこの手の基礎文法ミスが多く見られます。
説明が曖昧すぎる名詞(significant amount)
a significant amount と曖昧にすることで、“多額”を印象づけながら、
具体的な金額は提示しない典型的手法。
これは詐欺メールで頻出する表現パターンです。
ビジネス上の重要情報が欠落
通常の企業メールでは、
- サービス名
- プラットフォームの URL
- 会社の所在地
- 利用規約
- 報酬体系の説明
が必ず書かれます。
しかし、このメールには全く記載がありません。
語彙の選び方がビジネスメールとして不自然
exciting collaboration
合法ビジネスは「exciting」などの情緒語を使わないのが一般的。
ビジネスメールはより具体的な内容で構成されます。
recurring 35% profit share
アフィリエイト報酬で 35%は極めて不自然。
典型的な “too good to be true” パターン。
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ビジネスメールとしては唐突で雑な誘導表現。
本来は:
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などを使うのが自然です。
英語で詐欺メールを見抜くチェックリスト
文法面から怪しさを判断
- 冠詞の誤り
- 三人称単数の動詞ミス
- 文のつなぎ方がラフ
- 大げさな形容詞の多用
ビジネスとしての不自然さ
- 会社情報がゼロ
- 具体的なサービス名なし
- 不自然に高い収益率
- 読者に「考えてみて」「チャンスだ」と心理誘導する語が多い
語彙の特徴
- exciting
- huge opportunity
- significant amount
など、具体性のないポジティブ語彙が多用される。
まとめ
今回紹介したメールは、一見するとアフィリエイトの勧誘のように見えますが、文法の粗さ・語彙選択の不自然さ・情報の曖昧さなど、詐欺メール特有の特徴が数多く含まれています。特に、冠詞の誤用や三人称単数のミスはビジネスメールではほぼ見られないため、こうした小さな違和感を見抜けるようになると、危険なメールを早期に判別する力が身につきます。
また、語彙の選び方にも怪しさが表れており、「exciting」「huge opportunity」のような感情を刺激する単語が多い点も特徴です。しっかりした企業であれば、感情的な表現よりも、具体的なデータ・実績・条件・規約を提示します。さらに、収益率を過度に盛る表現や、会社情報をまったく提示しない構成は、詐欺メールの典型的パターンです。
英語学習の観点から見ると、こうしたメールは“文法のゆがみ”や“ビジネス英語らしからぬ表現”を見抜く練習として非常に良い教材です。正しい英文と怪しい英文の差を理解することで、読む力だけでなく、危険を回避する判断力も磨かれていきます。今後も怪しいメールが届いた際には、文法・語彙・構成に注目して、冷静に判断できるスキルを身につけていきましょう。
詐欺メールその1です。こちらの記事もどうぞ!
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