はじめに
英語には、相手の気持ちを傷つけずに本音を伝えるための“遠回し表現”が数多く存在します。その中でも “Not really.” は、短いながらも非常に繊細なニュアンスを持つフレーズです。
直訳すれば「そうでもないよ」。しかし実際の会話では、
- やんわり否定
- 気まずさを避けるための柔らかい拒否
- 本音を濁したいときの逃げ道
として使われることが多く、英語学習者が誤解しやすい表現のひとつです。
この記事では、“Not really.” がどんな場面で使われ、どんな心理が隠れているのかを深掘りします。英語の本音と建前を理解することで、ネイティブの微妙な気持ちを読み取れるようになり、コミュニケーションの質が大きく向上します。
“Not really.” の基本的な意味
辞書的には「そうでもない」「あまり〜ではない」。しかし実際の会話では、もっと柔らかく、もっと曖昧な“否定”として使われます。
=「NOと言いたいけど、直接は言いたくない」
これがコアのニュアンスです。
例文で見る “Not really.” の温度感
Do you like it?
— Not really.
(うーん、あんまり…)
Are you interested?
— Not really.
(そこまで興味ないかな…)
Did you enjoy the movie?
— Not really.
(正直そこまで…)
どれも「NO」と言い切るより柔らかく、相手の気持ちを傷つけない距離感があります。
“Not really.” に隠れた本音パターン
同じ“Not really.” でも、状況によって本音は微妙に変わります。
本音1:やんわり否定(最も一般的)
もっとも多いのは、ストレートにNOと言いたくないとき。
Do you want to join?
— Not really.
(いや、あんまり…)
相手を否定したいわけではないけれど、乗り気ではないときに使われます。
本音2:気まずさを避けたいとき
相手の好意や努力を否定したくないときにも便利。
Do you like my idea?
— Not really…
(うーん、ちょっと違うかな…)
「NO」と言うよりも、角が立ちにくい表現です。
本音3:本音を濁したいとき
本当は強く否定したいけれど、関係性を壊したくないとき。
日本語の「まあ…そうでもないかな」に近いニュアンスです。
本音4:完全なNOではない場合もある
“Not really.” は否定ですが、完全に拒絶しているわけではないケースもあります。
「嫌いではないけど、そこまで好きでもない」「興味ゼロではないけど、強くはない」
こうした“中間の気持ち”を表すこともできます。
声のトーンで意味が大きく変わる
“Not really.” は、声の出し方で意味が大きく変わる表現です。
無表情・短く → ほぼNO
Not really.(淡々と)→ 実質「NO」。
ため息混じり → 気まずさ・困惑
Not… really.→ 「否定したいけど言いにくい」空気。
笑いながら → 軽い否定・柔らかい距離
Not really, haha.→ 「そこまでじゃないよ〜」という軽さ。
語尾を伸ばす → 迷い・曖昧さ
Not reaaally…→ 「完全にNOではないけど…」という揺れ。
“Not really.” が使われる典型的なシーン
誘いをやんわり断るとき
Do you want to go out tonight?
— Not really.
意見を否定したいけど角を立てたくないとき
Do you agree with this plan?
— Not really.
好みを聞かれたときの柔らかい否定
Do you like spicy food?
— Not really.
ビジネスでの慎重な否定
ビジネスでは、強い否定は関係性を悪化させることがあります。そんなときに “Not really.” は非常に便利です。
Is this approach effective?
— Not really.
類似表現との違い
- Not exactly.
→ 「ちょっと違うかな」ニュアンスの否定。 - Not quite.
→ 「完全にそうではない」柔らかい否定。 - Not particularly.
→ 「特にそうでもない」冷静な否定。 - Not really.
→ 気持ちを濁したいときの“曖昧否定”。
誤解を避けたいときの代わりの表現
もし相手に誤解されたくないなら、もう少し具体的な表現を使うのが安全です。
- I’m not sure about that.
- I don’t think so.
- It’s not my favorite.
- I’m not really into it.
これらは “Not really.” よりも明確で、誤解が少ない言い方です。
まとめ
“Not really.” は短いながらも、英語の“やんわり否定”を象徴する非常に繊細な表現です。
- 直接NOと言いたくないときに使われる
- 気まずさを避けるための柔らかい拒否
- 声のトーンで意味が大きく変わる
- ビジネスでも日常でも頻出
- 本音は「NO寄りの曖昧否定」
英語の遠回し表現を理解すると、ネイティブの本音を読み取る力が格段に上がります。“Not really.” はその代表例であり、英語コミュニケーションの奥深さを象徴する一言です。
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