意味について
「rain check」は、何かの誘いや提案を一旦断るときに使う表現で、「またの機会にお願いします」「今回は遠慮しておきますが、次の機会にぜひ」という意味になります。単に断るのではなく、好意や興味はあるけれど、今回は都合がつかないというニュアンスが含まれています。やんわりと断る、柔らかい表現です。
I’d love to go to dinner, but I have to work late tonight. Can I take a rain check?
(ぜひ夕食に行きたいのですが、今夜は残業なんです。またの機会でもいいですか?)
ビジネスでもカジュアルな会話でも使える便利なフレーズです。
語源について
「rain check」という表現は、19世紀後半のアメリカの野球文化に由来しています。当時、雨天によって試合が中止になると、観客に「rain check(レインチェック)」と呼ばれる引換券が配られました。この券を持っていれば、後日同じチームの試合に無料で入場できるという仕組みでした。
この「雨で流れても後日また来られる権利」が転じて、「今回は無理だけど、またの機会に」という意味で日常会話でも使われるようになったのです。スポーツ文化が日常表現に影響を与えた典型的な例といえます。
この画像は「rain check」の語源を視覚化したもので、雨で中止になった野球の試合を象徴するチケットを描いています。雨雲とボールがあしらわれたこの引換券は、次回の試合への再入場を許可するもので、「今回は無理だけど、また今度」という表現のルーツを示しています。

類義語
postpone(延期する)
「postpone」は予定そのものを延期することを意味します。物理的な予定の変更に使うので、「rain check」のように“やんわり断る”ニュアンスはありません。
We had to postpone the meeting due to a scheduling conflict.
(スケジュールの都合で会議を延期しなければなりませんでした。)
reschedule(再調整する)
「reschedule」も予定を変更する際に使いますが、こちらは具体的に日程を再設定する意図が含まれます。「rain check」はその場で日程を決めないことが多いですが、「reschedule」は新たな予定を立てるときに使われます。
Can we reschedule our lunch for next week?
(ランチの予定、来週に変更できますか?)
decline(断る)
「decline」は丁寧に申し出を断る動詞です。ただし、今後の希望を残すニュアンスはなく、基本的にその申し出を受け入れないという意味です。「rain check」は断りながらも関係を続けたいときに使いますが、「decline」はややきっぱりした印象があります。
I have to decline the invitation due to prior commitments.
(先約があるため、そのご招待はお断りしなければなりません。)
使い方のポイント
「rain check」は特にカジュアルな会話で使いやすい表現です。友人や同僚とのやり取りで、「今回は無理だけど、気持ちはある」と伝えたいときに便利です。例えば、誰かに食事やイベントに誘われたけれど、その日は都合が悪いといった場面で、「Can I take a rain check?」と使えば、相手に悪い印象を与えずに断ることができます。
また、相手との関係を壊さず、次の機会を楽しみにしているというポジティブな姿勢を示せるのがこの表現の良いところです。ただし、あくまでも非公式な表現なので、目上の人やフォーマルなビジネスの場では、もう少し丁寧な言い回し(たとえば “Would it be possible to reschedule?” など)を使うほうが適切です。
さらに、「rain check」は名詞としても使われ、「give someone a rain check(誰かにまたの機会を伝える)」や「take a rain check(またの機会にする)」という形で使われます。会話では「take a rain check」が特に頻出です。
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