意味について
「all that jazz」は、「その他いろいろ」「などなど」といった意味で使われる口語的な表現です。何かの説明や列挙の後に加えることで、「そのほか同じようなことすべて」や「お決まりのこと」というニュアンスを含めます。また、時には少し面倒くさそうな、あるいは皮肉っぽい気持ちを込めて使われることもあります。
We talked about school, homework, exams, and all that jazz.
(私たちは学校のこと、宿題、試験、その他いろいろなことについて話しました。)
このように、特定のことを列挙したあとに「and all that jazz」を加えることで、「似たような他のことも含まれる」と相手に伝えることができます。
語源について
この表現の語源は、1920年代のアメリカに遡ります。「jazz」という言葉は、当時は単なる音楽ジャンルを超えて、「活気があるもの」や「派手なこと」を象徴する言葉としても使われていました。「all that jazz」は、もともとは「そんな派手なこと全部」「そんな騒がしいこと全部」といった意味で使われていたと考えられています。
特に有名になったのは、1975年のブロードウェイ・ミュージカル『シカゴ(Chicago)』のオープニング曲「All That Jazz」の影響が大きいでしょう。この楽曲では、「ショービジネスの華やかさや騒がしさ」を象徴する形で使われており、以降、一般にも広く使われるようになりました。
このイラストは1920年代のジャズ時代を象徴する女性シンガーを描いたもので、「all that jazz」の語源である“華やかで騒がしい雰囲気”を視覚化しています。羽飾り、真珠のネックレス、レトロなマイクなどが当時のムードを伝え、活気に満ちた「ジャズとその周辺のすべて」を表現しています。

類義語
and so on(などなど)
「and all that jazz」と同様に、リストの最後につけて「それ以外の同種のものも含まれる」という意味を表します。ただし、「and so on」はより中立的・形式的な響きがあり、皮肉や感情は含まれにくいです。
He bought pens, notebooks, folders, and so on.
(彼はペン、ノート、フォルダーなどを買いました。)
and stuff(とかそんなもの)
こちらはかなりカジュアルな表現で、「and all that jazz」と同じように会話で使われます。「stuff」は曖昧な言葉なので、相手に具体的に伝えたいときには少し不適切な場合もあります。
We talked about movies, music, and stuff.
(私たちは映画や音楽とか、そんな話をしました。)
and whatnot(なんやかんや)
「and whatnot」もまた、「その他いろいろ」「似たようなもの」という意味で使われる口語表現です。「all that jazz」よりも少し柔らかく、日常会話で自然に使える表現です。
She enjoys painting, drawing, and whatnot.
(彼女は絵を描いたり、スケッチしたり、なんやかんやを楽しんでいます。)
使い方のポイント
「all that jazz」は、親しい間柄の会話やカジュアルな文章でよく使われる表現です。真面目なビジネス文書やフォーマルなスピーチではあまり適していません。そのため、文体や場面に応じて使い分けることが大切です。
また、この表現にはしばしば「ちょっと面倒だな」「お決まりの流れだな」といったニュアンスが含まれることがあります。たとえば、「会社の会議でまたプレゼンをして報告書を提出して… and all that jazz.」と言えば、「いつもの面倒な一連の流れ」を軽くため息まじりに伝えるような効果があります。
英語ネイティブがこの表現を使うとき、ジェスチャーやトーンによってもニュアンスが大きく変わるため、映画やドラマなどで実際の用例を聞いて、リズムや言い回しを体に覚えさせるのもおすすめです。
なお、文章で使う場合には「and all that jazz」という形が基本で、直前にはカンマ(,)を入れることが多いです。また、会話では「you know, with the costumes and all that jazz.」のように、説明の一部として自然に組み込まれるケースが多く見られます。
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