意味について
「in a pickle」は、「困った状況にある」「厄介な立場にいる」という意味のイディオムです。日常会話では、何かトラブルに巻き込まれたり、解決が難しい状況に直面していたりするときに使われます。
例えば、車の鍵を中に置いたままロックしてしまったとき、あるいは約束をダブルブッキングしてしまったときなど、深刻すぎないけれど困ってしまう状況にぴったりの表現です。
I’m really in a pickle—I left my wallet at home and I have no money to pay for lunch.
(本当に困ったよ。財布を家に忘れてきて、お昼ご飯を払うお金がないんだ。)
このイディオムはややユーモラスな響きを持っており、深刻な危機ではなく、日常のちょっとしたピンチに使われることが多いのが特徴です。
語源について
「in a pickle」の語源は、16世紀のオランダ語や中世英語にさかのぼります。英語の「pickle」はもともと酢や塩水で漬け込んだ食品、つまりピクルスを意味しますが、古い意味では「混乱した状態」や「ごちゃごちゃしたもの」というニュアンスも含んでいました。
シェイクスピアの戯曲『テンペスト(The Tempest)』(1611年)にもこの表現が登場し、そこでは「酔っぱらって困った状態」という意味合いで使われています。
ピクルスの中に入ってしまったように、身動きがとれない状態、抜け出しにくい状況を表しており、まさに「困ったことになった!」というときにぴったりの比喩表現です。
イディオム “in a pickle” の語源を視覚化したイラストです。ピクルス液が入ったガラス瓶の中で、困った表情を浮かべる男性が描かれています。16世紀の英語では「pickle」は混乱や困難を意味する言葉でもあり、この表現は「身動きが取れない困った状況」にいる様子をユーモラスに伝えます。イラストはその比喩を直感的に理解できるよう構成されています。

類義語
in a jam
「in a jam」も「困った状況にある」という意味で、非常に近い表現です。こちらはやや口語的で、交通渋滞(traffic jam)など物理的な詰まりから派生して「進退きわまった状況」にも使われます。「in a pickle」よりも少しだけ切迫感がある場面で使われる傾向があります。
I’m in a jam—I promised to help two friends move on the same day.
(困ったな。同じ日に二人の友人の引っ越しを手伝うって約束しちゃった。)
in hot water
これは「(自分の行動が原因で)トラブルに巻き込まれている」という意味です。「怒られる」「叱られる」といった文脈で使われることが多く、誰かとの関係性に問題があるときにぴったりです。
He’s in hot water with his boss for missing the deadline again.
(彼はまた締め切りを守らなかったことで、上司に怒られている。)
「in a pickle」は必ずしも他人との摩擦を意味しませんが、「in hot water」は誰かに迷惑をかけた、怒られたというニュアンスが強くなります。
in a bind
この表現は「選択肢が限られていて困っている」「八方ふさがり」といった意味で、ややフォーマルな響きを持ちます。「in a pickle」よりも深刻な状況やビジネス的な文脈でも使われることがあります。
I’m in a bind—I need to submit this report today, but the data isn’t ready.
(困ったな。今日この報告書を提出しなきゃいけないのに、データがまだ準備できてないんだ。)
「in a pickle」がユーモラスで軽い印象なのに対し、「in a bind」は現実的で深刻度がやや高めです。
使い方のポイント
「in a pickle」は、日常会話でちょっとした困りごとや不便な状況を軽く伝えたいときに使うのにぴったりの表現です。たとえば、財布を忘れた、アポが重なった、ちょっとしたミスをしてしまったなど、「まあなんとかなるけど、今は困ってる」というシチュエーションによく合います。
ユーモアを交えて自己開示したいときにも効果的で、「今ちょっとピクルス状態なんだよね」と言えば、聞き手に深刻すぎない雰囲気で状況を伝えることができます。ビジネスの場では少しカジュアルすぎることもあるので、フォーマルな場面では「in a bind」や「in a difficult situation」などに言い換えたほうがよい場合もあります。
また、動詞を変えて「get into a pickle(困った状況に陥る)」や「be caught in a pickle(困った状態に巻き込まれている)」といったバリエーションもあります。過去形で「was in a pickle」などと使えば、昔の失敗談を話すときにも役立ちます。
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