基本情報
原作:ほったゆみ、漫画:小畑健のタッグによる囲碁を題材にした漫画です。週刊少年ジャンプにおいて1999年2・3合併号から2003年33号まで連載されました。作中における対局の内容などは、日本棋院所属の女流棋士梅沢由香里が監修を務めました。
ジャンル:少年漫画
原作 :ほったゆみ
漫画 :小畑健
出版社 :集英社
巻数 :23巻(完全版20巻)(文庫12巻)
累計発行部数:2500万部(2013年時点)
私は少なくともヒカルの碁以外に売れた囲碁漫画を知りません。当時の少年ジャンプはワンピース、ハンター×ハンター、シャーマンキング、NARUTO、封神演義、ジョジョの奇妙な冒険という王道のバトル漫画に加え、ホイッスル、ROOKIES、テニスの王子様、ライジングインパクトというこれまた強烈なスポーツ漫画が連載していました。マジで有名で面白い漫画がひしめき合っていました。その中に当然のように囲碁漫画が連載していたのですから、驚きです。
漫画が大ヒットしたので、ゲームも発売されましたね。囲碁は盤面19×19マスの陣地取りゲームなのですが、当時のゲームのCPU性能では19×19の選択肢の多さに処理が追い付かず、(私の体感では)一番強いモードでも棋力はアマチュア3級レベルだったと記憶しています。ゲームの最後に登場する最強の藤原佐為をボッコボコにした時に虚しさを感じたものです。将棋ゲームのCPUは盤面9×9だからなのか囲碁のよりも強かったww 今はAIが発達してめちゃくちゃ強いらしいですね。
この漫画のおかけで、おじいちゃんの形見として家にあった碁盤に興味を持ち、母に頼み込んで近所の碁会所に連れて行ってもらい、囲碁を覚えました。それまでは碁石でおはじきしていたのは内緒だよ。実は高校生の時、県代表で全国大会行きましたww 囲碁って面白いんだよ。


小畑先生さんはその後、DEATH NOTE やバクマン! も描いてるね!

画像の右上、ゾンビパウダー懐かしすぎるぜ!
あらすじ
運動好きで頭を使うことが嫌いなごく普通の小学校6年生である進藤ヒカルは、祖父の家で古い碁盤を見つける。碁盤の血痕に気づいたヒカルは、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊に取り憑かれる。非業の死を遂げたという佐為はかつて棋聖・本因坊秀策にも取り憑いていたという。囲碁のルールも歴史も知らないヒカルであったが、「神の一手を極める」という佐為にせがまれて碁を打ち始める。以降、佐為はヒカル以外には姿も見えず会話もできず、物を動かすことすら出来ない存在であることを前提に物語は進む。
面白いと思うところ
俺に取り付いた地縛霊が世界最強の囲碁棋士だった件について
最近の漫画のタイトルは本当に長いよねww 現代風にタイトルを変えてみましたが、こう書くと分かる通り、やろうと思えば俺最強! が簡単にできる漫画設定なんです。それをずーっとひた隠しにしてきて、ようやく力を遺憾なく発揮する瞬間。それが、ネット囲碁編なのです。
SAIという名の碁打ちがネット囲碁で初心者からプロ棋士まで片っ端からなぎ倒していく。読者が待ちに待った瞬間だったと思います。このようにカッコいい主人公がその能力を見せつけるシーンはやっぱり誰もが観たいシーンなんですよね。古い話で申し訳ないですが、漫画ワンピースでハイエナのベラミーをルフィがワンパンするシーン。マジで震えたもんねww やっぱり、たまった鬱憤を発散してこその漫画だと思うのよ。それが王道バトル漫画ではないこの囲碁漫画でもしっかり描かれているあたりが面白かった。読者が観たかったシーンなんだと思います。

「彼はいったい誰に負けたというんです?」
うひょーww テンションあがるww
このネット碁シリーズで更に鳥肌たったのは、この時、佐為はまだ成長途中だったって話。お前、こんだけ無双しておいてまだ強くなる余地が残ってるんか!!


塔矢行洋 VS 藤原佐為
そう。私は覚えている。コミックスは13-14巻。ついに実った現代最強対藤原佐為。
思えば、ネット碁を通じて、佐為は成長しました。遠い過去に最強として名を馳せた本因坊周作が、現代囲碁を吸収することで、棋力は最高点に達し、至高の一局をヒカルに示すことができた対局でした。
佐為は対局の後に自分の役目、ヒカルにこの一局を見せるために千年の時を長らえていたことを理解します。
他の先人たちもまた、次の世代にバトンを託すことで、囲碁の研究は続けられていくのです。
棋譜。対局がどのように進んだかを記録するものです。人は死んでも棋譜は残る。そうやって過去から未来へ囲碁を繋いでいく。これはヒカルの碁の最後にそのように語られますが、明確にバトンの受け渡しを体現したのがこの一局だったのだと思います。
ヒカルがプロになった時にも塔矢行洋と対局していますよね。特別対局室「幽玄の間」。幽玄の意味はここでは深く語りませんし、実際にそういった掛け軸があるので本作でも登場したものと思われますが、時間の「有限」を暗示しているのでは? なんて考えるのも面白いかもですね!
とはいえ、この対局のせいで藤原佐為が消えてしまうわけでぇぇぇぇ!!! 当時はすごくがっかりしたのを覚えています。
本田敏則という凡な存在
皆覚えてる? フルネームで書かれると分からないよね。ただの本田のことです。なんというか可哀そうなキャラなんです。院生だし、物語後半にはしっかりプロになっているし、世間一般で言えば囲碁めちゃくちゃ強いんでしょうね。ただ作中では比較的かませ犬扱いされていますww
若獅子戦での扱い
院生と若手プロ棋士が戦う「若獅子戦」。本田はコミックス7巻で院生という立場で出場しています。「若獅子戦」に参加できるのは1組の16位以上。意外と強いが順位がどのへんかはっきりしません。顔だけ見ると強キャラには見えないし、なんならキノコカットは越智とかぶるし、、、結果はというと、初戦敗退。相手はなんと塔矢アキラww きっちりかませ犬!! しかもギャラリーから「ちぇっ、院生がフガイねーから塔矢の力がわかんねーじゃん」というシーンまで!! 本田は強いのか!? 弱いのか!?
プロ試験の大金星
プロ試験も後半の第17戦。主人公進藤ヒカルVS本田敏則。プロ試験中も主人公補正がかかり、めきめき力をつけている進藤ヒカル。ここまで(16戦まで)の成績が
進藤ヒカル 14勝2敗
本田敏則 13勝3敗
若獅子戦でフガイないと言われた本田。なんと進藤ヒカルに勝ちます。当時リアルタイムで読んでいた身としては本田には負けないだろうって思っていましたww
この結果に対する本田自身の振り返り「結果は半目残ってた・・・だがとても勝った気がしない」。会心の出来だった! ぐらい言ってほしかったですが、本田ってこういうキャラなんですよね。勝ったのにまぐれみたいな描かれ方ww
さらに22戦。なんと院生でトップの伊角さんに勝ちます。お前、本当は強いんか!!ww
でも最後は結局、負けて泣きながら退場するシーンが描かれるんですよね。この年、本田はプロにはなれませんでした。
それでもプロへ
ヒカル、和谷、越智がプロになった翌年、中国修行で更に強くなった伊角、佐為にボコボコにされて1年鍛えなおした門脇が当確の中、残り1枠を勝ち取ってプロになります。当然、すごいことなんですが、成績の悪さから年下の越智に普通にディスられますww 和谷も少しは気にかけてあげてほしい。そして本田、お前はもっと怒っていいんだぞ?ww

ま、終始こんな感じで描かれています。
本田は自分がみんなより遅れをとっていることを理解しているし、囲碁の世界が実力主義なことも重々承知している。
そんな中、焼き芋屋さんとの他愛のないやり取りの中で、自分が囲碁棋士であることを自覚する。このシーンの前にも、3歳年下の社にコテンパンにやられ、不貞腐れてもいいところ、プロの碁打ちとして、苦しみながらも一生勉強していく覚悟が現れたシーンでした。本田のカッコいいシーンってここだけだと思うww でもすごく好きなシーン。


こういう人におすすめ
王道バトル漫画という括りに入れても違和感ありません。主人公が成長するタイプの漫画です。
タイトルを「俺に取り付いた地縛霊が世界最強の囲碁棋士だった件について」にしたとして、気になったなら、もう読める漫画ですし、またプロの碁打ちの世界がどんなものなのか気になる方にもおすすめ。
年齢問わず楽しめる漫画です。
まとめ
今回はヒカルの碁の面白いところを語りました。本田に焦点を当てて他のキャラ紹介しませんでしたが、私は緒方もかなり好き。なにかといいように漫画特有の解説担当をさせられ、乗っている車はスポーツカー。当時中学生の塔矢アキラの前では、当然のように煙草を吸い、女のマンションから出てきたと思えば「碁より面白いものはないよ」ときたもんだ。なのにしっかりまとまっているキャラクター。
そのほか、連載当時は伊角さんの女子人気がすさまじく人気投票では伊角さんは不動の一位だったような。
そんな感じで魅力たっぷりのキャラクターがたくさんいるヒカルの碁。
囲碁という特殊な世界に焦点を当てた珍しい漫画にも関わらず、しっかりワクワク、ゾクゾクするようなバトル漫画の要素もあって実に面白い。小畑先生の綺麗な絵も見所の一つですね。
さっ、改めて読みなおしてみませんか?
ホワイトデーのお返し決めた?
今年こそセンス良く買ってみませんか?



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